「私の書くものは、子供時代に見聞きした神話や伝統に根ざしています。読者の皆さん、私の本を読むことでご自身の内に隠された豊かな想像の世界に分け入ってください。本を通じて日常生活を忘れ、私と一緒に夢の国へ、わくわくするような大旅行にでかけることができますように!
私は著作を通じて皆さんと風景の美しさだけでなく、私が称(たた)える文化の豊かさも分かち合えたらと願っています。こうした作品は皆さんにとっても私自身にとっても「絶対」を探求し、パラレルワールドへと向かう旅、そして何よりも現実と非現実の調和に満ちた統合を経験する機会となるでしょう。私の文学作品を照らす太陽がその強烈で底知れぬ魔力を駆使し、皆さんの内なる夢見がちな詩人の魂を揺さぶりますように!
私は文字に残されたものばかりでなく祖先から口承によって受け継いだあらゆる伝承を材料としました。そこには、私のルーツである古代エジプトのバントゥー、そしてヌビアを主として、あらゆる時代のアフリカの文明が反映されているばかりか、私の想い出や個人的な経験もまじっています。
私は本を書くことによってアフリカに関する知識を広めることに貢献したいと願っています。アフリカの神秘や詩情や慣習、そして様々な人間社会が織りなす豊かな文化模様を知っていただきたいのです。
そうした作品の中で私は、ほとんどの読者が知らないブラック・アフリカについて語ります。すなわち、アフリカの人びとが送る日常生活と夢見る生活、本当の歴史と様々な国による植民地化によって歪められた歴史です。
そこにはサバンナ、文化、文明、動物、植物、そして様々な思いを抱く男女が登場し、計り知れない素晴らしさを語りかけます。
私は詩や小説や物語だけでなく戯曲も書きます。そのなかで詩は私にとって、心の奥底に秘めた感情や信念をイメージに託して表現する手段です。そのイメージこそ生命、死、人間、これまでの人生で私が出会えた様々な社会の動揺に関する哲学的考察の結実なのです。
詩は、あらゆる束縛から言葉を解放してくれます。自由と希望が育つ畑、革命的な思考が生まれる場所なのです。意識が芽生え、アイデンティティを模索する母胎なのです。政治やイデオロギー、お金の力、宗教がしばしば呼び起こす恐怖と決別して国民が自由へと立ち上がるのも詩の力があってのことです。
最も美しい詩は多くの場合、私達に心の内面を伝えてくれます。私達にとって大切な感情、正当で神聖な希求、密かな信念が芽吹く心の内面です。詩人は内面世界の創造者でありますが、その影響力によって外面空間の創造者でもあるのです」 |